私にはカリスマ性がないから・・・(後編)

コラム:承継不安の処方箋

HPをご覧頂き、ありがとうございます。

継ぐ研ネット代表の辻󠄀岡 珠磯(つじおか たまき)と申します。
本コラムは、経営者を親にもち、会社を継ぐ可能性がある方を対象に、

継ぐ「不安」をテーマに書いていきたいと考えています。

さて、今回は、
親のようなカリスマ性がない私に、社長が務まるだろうか?
の後編です。

ある社長の言葉
生まれ持ってカリスマ性があれば、親の会社なんて継がない!
後継者にカリスマ性がないのはあたりまえ、
カリスマ性がなければ、作ればいい

ということで、
工場建替え(移転)をご説明しました。

しかし・・・

うちは工場ない!
工場がない会社はどうするの?

ですよね(笑

今回は、工場がない会社の後継者向けに、
カリスマ力の作り方を、
一緒に考えていきたいと思います。

さて、前回の
工場建替えでカリスマ力がつく手順を
考えてみましょう。

〇〇〇は、「工場建替え」と読んで下さい。

  • 経営者は、全社員の前で、〇〇〇を発表する
  • 経営者が、後継者を、〇〇〇の責任者に指名する
  • 後継者は、全社員に頭を下げて、現状の課題を教えてもらう
  • 後継者は、自身の将来ビジョンと、課題解決の〇〇〇計画を策定する
  • 経営者に、〇〇〇計画を承認してもらう

この手順のなかで、
もっとも重要なポイントは、

後継者が、
全社員、1人1人に、頭を下げて、

全社員の仕事の内容と、
問題意識、改善策を教えてもらうこと

全社員と信頼関係を作り、
全社員を把握し、

この社員達と一緒にやる将来ビジョンを練る。

これがカリスマ力がつく原理でした。

では、
あなたの親の会社で、

〇〇〇に入るイベントは、
どんなものがあるでしょうか?

例えば、よく聞く方法で、
後継者を、新規事業の責任者にする
というのはどうでしょう?

これ、

ダメですよね?

理由、わかりますか?

そうです。
新規事業ですから

一部の社員と、本業でない仕事をする

これでは、
本業の従業員と信頼関係はできないのです。

実際、
ある繊維製品製造会社の社長から、
こんな相談を受けました。

後継者(娘婿)を、育てるため
自社製造製品のリース事業の立ち上げ責任者にした。

リース事業は、
従業員数人を雇えるほどに育ち、
後継者の経営手腕を確認した社長は、

社長交代を決意

リース事業は、部下に任せ、
社長を継いで欲しいと伝えたら、

製造は、よくわからない、

リース事業で、夫婦2人は、食べていけるから、
申し訳ないですが製造業は継げない・・・

と、・・・

社長、そうとうショックだったようですが、
後継者(娘婿)の気持ちも、よくわかりますよね・・・

社長は、

「何をやっていたのかなぁ・・・」

と遠くを見つめ、
最後に、

「製造会社の方の売却を手伝ってくれるか・・・」

と・・・

では、
DX(ディー・エックス)は、どうでしょう?

デジタル・トランスフォーメーションの略で、
業務をデジタルに置き換え、
仕事をやり方から変えるような意味です。

ある建材販売会社で、こんな話がありました。

ある日、突然、

社長

わが社も、でぇ・エックス を導入しろ!

という社長指示が、後継者におりたのです。

後継者いわく、
TV広告の滋養強壮ドリンク剤、リポビ〇〇 DX??
あれを休憩室の自販機に入れろってこと?

と、思ったと・・・(笑

ガテン系の会社ですからね・・・(爆
まぁ、それぐらい、
ITとは無縁の社長でした(笑

さて、どうすれば、社長が満足するか?

後継者も、社員も????
さっぱりイメージがわかない(笑

そんな状態だったといいます。

しかし、言い出したら聞かない社長やるしかありません。

後継者は、
社員数人と、DXプロジェクトを開始

とりあえず、

現状業務をデジタル化できるか?
全社員に、業務内容と合理化案を聞くことからスタートしたのです。

作業内容は、

  • 従業員1人1人に、現状の業務内容を聞く
  • 1人1人の業務上の課題、改善方法を聞く
  • 一覧にまとめ優先順位をつける

数か月たって
DXプロジェクトが、出した結論は・・・

業務の流れにそって
 ①社員のフロアや座席位置を変更
 ②近隣に倉庫を確保し、
 ③広い会議室を作る

で、で、デジタルはどこ??? 
ですよね(笑

後継者曰く

人が増えたことに起因する問題が多く、
デジタル化より、さきに、やるべきことに気がついた、

と、

システムベンダーの方々には、いろいろ教えてもらって、
大変、申し訳なかったけど、

従業員を知り
自社のあるべき姿を
考えさせられるいい事件でしたと(笑)

DXは、口実、大義名分、

DXが、目的ではなく、
後継者が、自社を知るイベントが必要だったのです。

後継者

今の非効率な業務を、
デジタル化しても非効率。
私の代で、DXに再チャレンジします。

と話す後継者に、
経営者としての風格がでてきただろ?

と、ご満悦の社長。

私も、やられた・・・
と、思ったものの

この
わが社も、でぇ・エックス を導入しろ!
は、カリスマ力がつく原理に、かなっている方法です。

カリスマ性を作るイベント
自社業務と自社社員を深く知るイベントは、 あなたの会社でも考えられると思います。

いかがでしでしょうか?

カリスマ力を作るイベントを、どうやって用意してもらうか?

ご相談頂ければ、企業診断を行ったうえで、工場建替え、DXなど、後継者のカリスマ力を育てるイベントを一緒に考え、ご提案をさせて頂きます。ご相談、ご感想などがあれば、お問合せからご連絡頂けると幸いです。

投稿者プロフィール

tamaki
tamaki
本研究会 代表
後継者の決断コンサルタント™
大手証券で相続・事業承継の専門職を経験。のべ1000社以上の経営者と面談。親子の会話不足が、後継者の情報不足を生み、承継を困難にしていると実感。後継者にもっと情報提供すべき。と説く中小企業診断士59歳。神戸市出身。

Follow me!